小樽の老舗レストランでハンバーグステーキをいただく
昼飯はレストランMURAでハンバーグステーキ(スープ、サラダ、ライス、ドリンク付)1200円。税込というのが素晴らしい。
伺ったのは日曜の12時過ぎ。ドアをくぐった第一印象は「静か」。 お客さんが居なければそりゃ静かだろうが、先客が数名あり、しかも会話をしているにもかかわらず静かというのが珍し過ぎる。
ムーディーなトリオの控えめなBGM。そのBGMが会話という謎状態にちょっと困惑。
見渡せば、年齢・意識ともにやや高めな感じ。池波正太郎先生のエッセイにある某たいめい軒を思い浮かべる。食卓の情景かwww。
ハンバーグは、ツナギばっちりタイプの伝統的洋食屋パテ。
割としっかりとした練りを感じつつもプディングのようなクリームのような、まろみと柔らかさが印象的。
ツナギの存在感が大きいが肉肉しさもけっこう残っていて、一方でチーズインハンバーグのようなコクもあり、なんとも不思議というか個性的なハンバーグである。
肉汁は全てパテというかツナギが吸っちゃいましたという感じ。
噛むと旨味をたっぷり吸ったパテが口の中でとろけ、咀嚼した瞬間、鼻腔から抜けいく。チーズようなチーズじゃないようなクリーミーな香りが素晴らしい。その正体が分からなくて悔しいが美味しいからノープロブレムとしよう。
ソースはたっぷりのデミグラス。刻んだハム?ベーコン?に玉ねぎが入った変わり種。塩加減はハンバーグと合わせること前提でジャストという感じ。
酸味はあまりなく、どっしりとした旨味のある重厚な正統派。ほどほどのトロミがパテに絡んで良い感じ。
付け合わせはバターの効いたマッシュポテトとカッペリーニのトマトソース。
ポテトは完全マッシュではなく、ダイスカットのジャガイモ入りマッシュポテト。食感の違いが味わえる、そのひと手間に感心。
スライスアーモンドをトッピングしたトマトソースのパスタも凝っている。それにしてもなんでカッペリーニ? ひと手間というか無駄なこだわりが面白い。パスタの長さは出来れば半分にしていただきたいが。
スープは干ししいたけの風味が効いたコンソメ。洋風のようであり和風のようであり。コクと旨味がトレビア~ンな感じ。ホントこだわりのツボが面白い。食卓が楽しい。
あと感心したのがホールの女性の機敏さというかステルス性能。
食べ終るや何処から現れ、あれよあれよと食器を下げる手際の良さ。何もない(はず)の空間から砂糖とミルクポットを出してコーヒーをサーブする手管。それでいて物腰柔らかと来ている。まさに給仕の鑑まさに全世界の嫁…というのは褒めすぎだな。
作り置きと思いきやさにあらず。深煎りのほろ苦くも香ばしい食後のコーヒーが、楽しかった昼餉のひとときを締めくくってくれた。
個人的には、もっとソース、パテともシンプルに勝負して欲しい気がしないでもないが、1200円でこの内容は大盤振る舞いもいいところだと思う。ええ店や。
ムーディーなピアノトリオがBGMしてる店内はとても静かでエレガント。皆さんひっそり会話してるが、その内容しっかり聞こえてまっせ。むしろ会話がBGM状態。
が、そこは大人による大人のための大人なお店。大人対応でスルーしよう。
レストランMURA
〒047-0024 北海道小樽市花園1丁目10−7
0134-25-1188
11時30分~14時30分 17時00分~20時00分
定休日:月曜日