美味しい朝食をしっかりといただく
旅の三日目。
本日は中央区南6条のレストラン「シジュウ」でハンバーグランチ。夜はジンギスカンで一人盛り上がるという計画である。
もちろん移動は徒歩。昨日同様ぶらぶら撮り歩きの予定だ。路面電車の写真も撮るので、どこかで市電を利用するつもりだが、メインの移動手段は自分の足。今日も体力勝負の一日となるだろう。まずはしっかりと燃料補給を済ませておくとしよう。
それにしても、いつも期待を裏切らない札幌第一ホテルの朝食だが…まさかコロナ禍中にグレードアップしているとは想像の埒外だった。ほんと侮れないわこのホテル。
自慢のブッフェスタイルを取り止め、ありふれた個食スタイルの和食膳に変更。さぞかし難儀したことだろう、主にコスト面で…なんて思ったワタシが浅はか見附だったよ丸ノ内。椎○林檎もびっくりだ。
吃驚仰天!昨日と同じ品が何一つない!
今日の札幌第一ホテルの朝食は9品。昨日と同じだが、それにフリーの納豆とめかぶをプラスして計11品。これを陵駕する朝食はいくらでもあるだろうが、ひと手間を惜しまない上に、提供温度にもキチンと気を配っている朝食は珍しいと思う。
しかし一番呆れたのはその内容。何と昨日のメニューと全部違う。同じ品が何一つない…ご飯は同じだが。なんという気配り気遣いとうかこだわりだろう。
大きなお世話かも知れないが、宿泊料金を考えたら、もう少し手を抜くべきじゃないだろうか。料理の手間暇もそうだが、皿数の多さ(=皿洗い)に人件費の心配をしたくなる。経営だいじょうぶだろうか…。まったくもって余計な心配だろうが、これが燃え尽きる寸前のローソクではないと願いたい。いやマジで心配だよ。
そんな朧気な予感が的中することを後日知るのだが…それはまた別の話…嗚呼。
朝食の、レベルをどれも軽々と、K点越えの品ばかり
最初焼き物かと思ったサバ。人件費を考えると味噌煮は良い判断だ。ただ、味付けも調理も手間暇かけすぎ。小骨の類はもちろん臭みも一切なく、味付けはいたって上品。しかも適度に温かい上に、よく見たら笹の葉を敷いている。仕事が細かい。ご飯のおかずというより堂々たる主菜というべき一品だが、手間も気遣いもゼロ円ではない。手間=コストということを直視すべだろう。実にけしからん。
どうと言うことのないお造り(刺身)だが、ツマにシソに菊の花片という小技がにくい。どう考えても板さんの仕事だろう。リゾートホテルじゃあるまいし。もう少し人件費を考えて簡素化すべきだろう。実にけしからん。
筍、高野豆腐、生麩、茄子、サヤエンドウ。細工も火加減も異なる素材が、キチンとハーモニーを醸し出している。なんという職人技。簡単そうに見えるが、コストカッターの目を誤魔化すことはできない。あと盛り付けの丁寧さも見逃せない。時給と所要時間、それに材料費をキチンと把握しているのだろうか。心配で心配で、こんなに心配させるとは実にけしからん。
責任者を呼んで欲しい。この宿泊料金で本物のカニを、それも朝食に出すとは言度同断横断歩道ではないか。柔かな酸味と控えめな塩味。サッパリとして、それでいて適度にオイリーなまろやかさは素人技ではない。人件費はどうした材料費はどうした。カニカマで充分だろう。もう少し濃いめに味付けしてしまえば誰も気付きはしない。そもそも気付いても誰も文句を言わないだろう。そういう宿泊料金なんだから。
本気でコスト削減に取り組んでいるのだろうか。実にけしからん。
サラダとはつまるところ菜っ葉。 キュウリとトマトとレタスだけで十分ではないか。それをヤングコーンにフライドオニオンをプラス。何という無駄なワンモアアップ。しかも、いかにも丁寧で綺麗な盛り付け。人件費をなんと…以下略。実にけしからん。
漬物は既製品のようで安心だが、少量とはいえ、こんな瀟洒で凹凸した別皿に盛り付ける必要があったのか。アルミカップに盛って鯖の横にでも置いておけばよいではないか。ポツンと一軒家状態の玉子焼きもさぞ喜ぶだろう。洗いものを少しでも減らす努力が大事なのだよ。実にけしからん。
けしからんほど旨いからこそ
けしからんほど旨い朝食をいただき身(胃)も心も満足。良い朝餉をいただき、良い一日のスタートを切ることができた。毎度毎度感謝感謝しかない。
些かくちくなった腹を摩りつつ部屋に戻る。朝日を浴びて長い影を落とす通路も随分と見慣れてしまった。
いつも思うのだが、このホテルの朝食は素晴らしい。
でも、ちょっと素晴らしすぎたのかもしれない。
客としてはありがたい限りだが、倒れちゃ元も子もないだろう。頑張りすぎて倒れるサービスって、誰のため何のためのサービスなんだろう?
料金とのバランスというか、対価というものをもう少し考えて欲しかったなー。などと今(ホテル閉業後)にして思うのだが…その話はいずれまた。