2018年9月6日の未明、強い揺れに目が覚める。
けっこうな揺れだったが、身の危険を感じるほどではなく、そのまま布団の中で収束を待つ。
ほどなくして揺れが収まり、安どと共に睡魔に襲われ、気が付けばいつもと同じような朝を迎えていた。
午前6時。
代わり映えのしない、それゆえ何事もない、安寧と退屈の繰り返しの始まりを、あくびと共に迎える…はずだったのだが。
ウォッシュレットが動作せず、リモコンの電池を交換しても直らず、訝しむワタシの目に映ったのは、すべてのLEDが消灯しまくった電気製品だった。
あ、停電ね。ちょっと長引きそうだけど、昼前には復旧するだろう。
などと、10年ほど前の大停電の経験則という、根拠のない根拠を元にした予測というか希望を抱くワタシであった。
もちろん現実は甘くない。
むしろ苦い。