函館人なら「もっきり」でしょ
定刻に仕事が終わらない金曜の夜。
しかもジェイソンが跋扈しそうな13日。
ワタシはとうとう、ファイナルアンサーな酒場と巡り逢ってしまった。
しかもマイホームタウン函館で。
いわゆる青い鳥ってやつでしょうか。
幸せは灯台もと暗しって、あれです。
先日、東京の立ち飲み屋2軒を訪れて、こんな店いいな、あったらいいな。
でも函館にあるわけないしね、などと思っていた矢先だったので、本当に驚いた。
やるな○澤酒店。
そもそもはシェルバーがお目当てだったのだが
シェルバー、つまり貝と酒を供する店である
名前はひらがなで「○さ○ぎ」。
キューティーハニーの名字と言えばわかるだろう。
ニューヨークのオイスターバーを模したのか、なかなか洒落たコンセプトで好感が持てる。
シェルだから2枚貝がメインというか、サザエやツブ、アンモナイトのような巻き貝は対象外。
確かに、メニューにアンモナイトはない。
良い店だと思う…安ければ
この店、なかなかの盛況ぶりである。
小さなカウンター内では二人のスタッフがフル稼働。
てきぱきした仕事ぶりと、愛想の良さが相まって、とても心地の良い空間となっている。
ついつい財布の紐も緩みがちなのだが、残念ながらというか、それが狙いなのだろうが、料金がやや高い。
まず酒が高い。
次に貝類が高い。
シェルバーのメインは貝と酒だから、この店のコンセプトに従うと、かなりコスパの悪い飲食というアウトプットになってしまう。
焼き串は2本で250円と、割とリーズナブルなのだが、シェルバーで焼き鳥?アスパラのベーコン巻き?
それはないだろうと思うのだが、財布の紐を締めようとすると、そういう選択肢にならざるを得ない。
しかも、そんなお得なメニューは早々に売り切れ。
それが戦略だとしたら、なんだか切ないぞ、○さ○ぎハニー。
というわけで、酒2杯を飲み終えたところで早々に退散を決め込む。
酒一杯と肴2品(うち一品はお通し)で済ますのが正しい飲み方なんだろう。
齢を重ね運命の地へ
かくして、究極の一杯を求める流浪の民は、聖地○澤酒店に辿り着くのであった。
その桃源郷ぶりを、まずは見て欲しい。
良い店だ。函館にこんな店があるとは知らなかった。
なんで知らなかったのか、知る由もないが、これで札幌や東京、あまっさえ海の向こうで飲み食いする必要性は随分と減った思う。
また今度来よう。というか、明日にでも行きたいくらいだ。
本当に良い店に巡り逢った。Sさんには感謝感謝、おまけにもうひとつ感謝だな。
なお、昨今、酒屋の立ち飲みスペースのことを「角打ち」などと称しているようだが、東北、函館では「もっきり」という呼称が正しいというか由緒正しい。
ワタシにとって「角打ち」と言う言葉は大沼のブラックバスに等しい。つまり外来種だ。
函館人なら「もっきり」と呼ぶべきだ。
知らないことを恥じる必要はないが、知ってしまったら郷に入って沿ってみるべき。
もっきりワンダフル。
人はパンのみにて生きるにあらず。もっきりも必要だ。
だから人生、もっともっきりしよう。
丸善瀧澤酒店
住所:〒040-0063 北海道函館市若松町19−7
電話:0138-22-3623
営業時間:10時00分~22時00分
定休日:日曜日
シェルバーきさらぎ
住所:〒040-0035 北海道函館市松風町7
電話:090-5951-5097
営業時間:17時30分~23時00分
定休日:日曜日